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zoom RSS ヤン・ファン・エイク 【アルノルフィーニの肖像】

<<   作成日時 : 2007/10/02 23:00   >>

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ヤン・ファン・エイク
 Jan Van Eyck


アルノルフィーニ夫妻の肖像

Double Portrait of Giovanni
: Arnolfini and His Wife

81.8×59.7cm  油彩・板

ロンドン、ナショナルギャラリー





 惹きつけられずにはいられない、美しく輝く緑色。
 驚くほど写実的に再現された当時の中流家庭の一室。

 そして、静かに手を取り合いながら立つ二人の夫婦。


 色彩の美しさも、空間の再現の仕方も、油彩画の天才中の天才、ヤン・ファン・エイクだからこそ成し遂げることができたにちがいない。

 以前は、これは結婚式の場面と考えられていたのだけれど、現在は夫婦の肖像、とだけにとどめるのが一般的らしい。
 モデルは当時有力であった、銀行家と、その婚約者だという。

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 女性のおなかが膨らんでいるのは、彼女が妊娠しているのではなく、「多産」のシンボルとして当時流行していた衣装のせいで、そこにそっと手を当てる彼女は、これから「母親」としての義務・責任を負うことになることを受け入れているかのよう。

 静かな、優しい空間。
 自然の光と影の織り成す柔らかな、「日常の一室」。

 あまりに自然すぎるその空間の中で、ちいさな、ちいさな顔の持ち主であるこの女性は恥じらいと、緊張と、けれど、「この人となら添い遂げたい」という恋心のような、期待のようなドキドキする気持ちが伝わってくる。


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 上目づかいで婚約者のほうを見ようとしているけれど、でも、緊張してはっきりと目を見るほど大胆さはない。上気し、ほんのり染まるほほが彼女の緊張を表しているみたい。



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夫となる人物をみると、柔らかな印象をうける彼女とは対照的に、厳格、勤勉、(そして仕事では気難しそう)な雰囲気を漂わせている。
 信念を貫くためには、何をも犠牲にできる、という表情。


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 それでも、妻となる女性の手を取る彼の手は、愛おしそうに、そして、まるで壊れ物でも扱うようにそっと触れる程度にしか添えられていない。

 よく見ると、彼も、彼女を直視していない。

 内心は、彼女がいとしくて、いとしくて、そして、「初めての女性」に触れて、ドキドキしているのに、必死で感情を抑え、冷静さを保とうとしているのかもしれない。

 それでも、手を通じて、彼らは「心と心」で会話して、お互いの意思を確かめ合っているのだろう。

 「愛しています」

 ・・・・と。


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 そんな、ずっと添い遂げることができるだろうこの「(未来の)夫婦の愛」を、記すために、エイクは絵の中に「ヤン・ファン・エイクはここにありき」というサインをのこし、この永遠に続く優しい静かな愛の物語が現実にあって、画家がまるで立ち会ったかのように記したのかもしれない。


 こんな風に触れられたり、まるで初恋の相手にはじめて触れられたかのような、はにかんだ彼女の表情は、こちらの甘い昔の記憶とドキドキした気持ちもよみがえらせてくれる。









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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この絵は有名な絵ですよね?美術の本でも観たことあります。
美術クラブ会長
2007/10/03 22:19
もう、これを知らずして絵画好きとはいえない、というくらいに超・超・超有名な絵です(笑)。精密さと、白地を板にまず下塗りすることで得られる鮮やかな色彩には目を見張らずにはいられません!さすがに「油彩技法の完成者」と称されるエイク、脱帽です。
りらり
2007/10/04 21:31

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