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zoom RSS カルロ・ドルチ 【三王礼拝】

<<   作成日時 : 2007/09/27 19:26   >>

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カルロ・ドルチ
 Carlo Dolci
(1616-1686)

 <<三王礼拝>>

1649年、油彩・カンヴァス
 117×92cm

ナショナルギャラリー、
ロンドン





画像<<悲しみの聖母>> 

イタリア・バロックの巨匠の一人、カルロ・ドルチ
 彼の名前を聞いて、東京西洋博物館にある、深い青色のヴェールをまとった闇に浮かぶ美しい<<悲しみの聖母>>を思い出した人もいると思う。



 <<三王礼拝>>の絵を見た時、まず釘づけになったのは吸い込まれそうなほど深い、深い青色。
 そして、ゆっくりと高まる全体を覆う詩的な雰囲気と聖性、人物たちの洗練された上品さ。
 ドルチをみていると、その「色彩」によって、深い神聖な世界へ誘われる。


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この思わず触れてみたくなる静かな深みのある「青色」は、最高級のウルトラマリンを使ったからだという。
 王の宝石を描いた絵の具の下にも、金箔が敷かれている。

 「見たものの心にキリスト教信仰をもたらすことができるような」絵画に専念しようとしたカルロ・ドルチは、(顔料の豪華さとは反対に)彼自身、とても敬虔なキリスト教(ベネディクト会の)信者だった。
 
 その信心深さといったら、幼いころから友人たちに神への愛を呼び起こさせたり、結婚式の朝には、結婚の場とは別の教会で祈りに没頭していた所を友人たちに見つけられたというほど。
 
 富には決して執着せず、王侯貴族からもたくさんの需要があったのに、高額な報酬を拒んだため、暮らし向きは楽ではなかった。

 
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上から差す金色の光や、幼子イエスから発する光輪は、強烈なほどにまぶしい。
 なのに、静寂さ、調和された叙情的空間は保たれているから不思議。


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細身の美しくて柔らかに微笑む聖母マリアの表情は穏やかでありながら、喜びに溢れているかのよう・・・。

  豪華さと清貧さが同時にある。
 色彩は前に出てくるかのように鮮やかであると同時に「底」が見えないほど深く、重い。

 相反する要因は、描かれる人物たちの聖なる精神性(あるいは、画家自身のそれ)によって、見事に詩的に高められ、聖なる世界へと調和される。

 
 深い深い美しさ。

 キリスト教徒ではなくとも、世紀を超えて、見るものを神聖な世界へ誘ってくれる作品です。

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コメント(2件)

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「悲しみの聖母」りらりさんのブログのこの記事読んで、言われてみれば確かに上野の国立西洋美術館で観たかもなあと思いました。イタリア・バロックの巨匠カルロ・ドルチですね!今度常設展を観る時は必ずチェックします。
美術クラブ会長
2007/09/27 21:30
もう、ぜひ(笑)!
それと、私個人がイギリス19世紀絵画が好きという理由からなのですが、同美術館のダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの手による<<愛の聖杯The Loving Cup>>もチェックしていただけると幸いです。装飾性が強く、彼自身「お金のために描いた作品」としている作品なのですが、私の「遠方美術館巡り」の始まりとなった記念碑的作品ですので(笑)
りらり
2007/09/28 19:35

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